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巨大なエンジンを動かすクランクシャフトを1000分の5㎜以下の誤差で仕上げる。【社員のはなし】

皆さんこんにちは。
マキタで活躍する社員を紹介する「社員のはなし」Vol.2です。
今回は、機械部の最前線で活躍しているR.I.さんにこれまでの経歴や今後の抱負を伺いました!

<プロフィール>
R.I.
2009年入社
生産本部 機械部 第1機械グループ クランク班 リーダ
新卒入社後、第1機械グループへ配属
2019年にリーダへ昇格
手の感覚だけでミクロの精度を出す専門性の高い仕事をしています。

髪の毛1本以下の誤差でシャフトを削る

私は機械グループでクランクシャフトの軸(ジャーナル)の仕上げ加工を行っています。
仕上げという工程が何をしているかと言えば、ひたすらシャフトを削っています。
ゆっくりゆっくり削っていって、1つの仕上げにだいたい400~500時間かかります。
時間がかかるのには理由があって、勾配の誤差を1000分の5㎜以下にする必要があるからです。
自分が担当している時間は、ただひたすら指先の力に集中して、同じ作業を根気よく続けています。
すごくハードな肉体労働をしていているわけではないですが、仕事が終わるとドッと疲れますね。
あらためて考えてみると、人が住めるほどの大きなエンジンなのに、髪の毛1本(1000分の80㎜)以下の誤差しか許されないというのは不思議な感じがします。
でも、それだけ重要な部品だということです。
シャフトは、いわばエンジンの心臓ともいえるパーツで、古くなっても基本的に交換することはありません。
一度取りつけたらそれっきり。
だから誤差があればずっと悪い影響を与え続けることになるので、仕上げ作業に手は抜けません。

失敗してもいいからと経験させてくれた上司

そもそも私がマキタに入社したきっかけは、先に勤めていた地元の先輩からの紹介でした。
入社するまで何をしている会社なのか知らず、巨大なエンジンを造っている日本有数の企業であると知ったときは「自分で務まるのか!?」と不安になったことを覚えています。
配属されたのが今の班で、自分がやることになる作業が1000分の5㎜以下の誤差しか許されないと聞いて、さらに不安は大きくなりました。
でも、新人の時から指導してくれた上司の教え方が上手くて、少しずつ仕事を覚えることができました。
仕上げ加工の仕事を一人でできるようになるまでには、だいたい3年ほどかかります。
それでもまだ一人前と胸を張れるほどではありません。
1000分の5㎜以下の誤差で削る技術は、そのくらい習得に時間が必要です。
でも当時の上司は、はじめから私にどんどん作業を経験させてくれました。
おかげで仕事の難しさとおもしろさが実感でき、興味を持って仕事を覚えていくことができました。
未熟な腕で作業をすると、結局あとからベテランが修正することになります。
でもその手間を惜しまず、いつもフォローしながら実践させてくれた上司に感謝しています。


今度は教える側になり、技を継承していく

今は、私が後輩を教える立場になりました。
自分がやってもらったように、私もなるべく新人に仕事を経験させるようにしています。
それにしても、教えるのは自分が作業するより難しいですね。
現在の課題は「いかにわかりやすく伝えるか」です。
欠員が出てもすぐに補充がきかない仕事なので、しっかり技を継承していこうと思います。
もしできるなら、いつかもっと大きなエンジンのシャフトを扱ってみたいですね。
今の工場には入らないサイズなので、それにはまず会社が大きくなる必要があるかもしれません。
会社が成長できるよう、これからも頑張ります!



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