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LEADER’S VOICE組立部 生産技術(T.O.)

組立部 生産技術 T.O.

発想のヒントはいつも、
現場にある。

リニア?それともホバークラフト?

学生時代は産業用エンジンの研究室にいたので、就活もエンジンに関われる仕事に絞って進めました。そんな中で出会ったマキタの工場見学で、エンジンの大きさと迫力に圧倒され、「やってみたい!」と。 エンジン専業メーカーなので、配属先に関係なくエンジンに関われそうなところも魅力でした。

入社後は組立グループの生産技術チームに配属され、エンジン製造を側面からサポートしています。用具の選定や治具の設計、新機種導入に合わせた設備の計画などに加えて、作業を助ける機器をゼロから開発することも。すごく大変だけど、面白いんですよ。数年前に作った連接棒運搬台もそうでした。連接棒とはピストンとクランクシャフトをつなぐ重要部品で、重さ2トン。作ったのは、この連接棒を6本載せて組み立て、次の工程エリアに運ぶ台。 以前は人がトロッコで動かしていた作業であり、安全性と効率アップの一石二鳥を狙った施策です。 台の本体は、私が図面を書き、社内の製缶チームにお願いして内製。問題はどう動かすか。最初は電磁誘導、リニアモーターカーの原理ですね、あれで動かせないか?と考えたけど、予算の関係でNG。いろいろ検討した結果、台の下にローラーを敷いて床に高圧エアを吹き付け、台を浮かしてモーターで動かすことに。そう、ホバークラフトの要領です。ある時パッと閃いて…と言いたいところですが、実は現場にヒントがありました。今は使われていませんが、クレーンで吊った部材と接続箱という部品の位置合わせの際に用いられたのが、まさに空中浮揚式の台。工場内で見つけて「これだ!」と。実際、現場は宝の山です。運搬台の件に限らず、現場を歩いて課題解決のヒントを得たり、新たな改善点を見つけることもよくあります。

“ゾーン”に入れば、ゴールは近い

現場でヒントを得て応用、と言うと簡単そうですが、用途も仕組みも違うし、実際は考えて図面を書いて組み立てて、使ってもらってダメならやり直し、の連続でした。納期も迫るし、内心は心臓バクバク。でも、ある程度形になると必ずあるんです、スイッチが入る瞬間が。「絶対に自分で見届けるぞ」とアドレナリンが出まくり、完成まで一気に。苦労して形にした経験ほど自分の知識として定着するものだと思えば、苦労も前向きに楽しめます。

楽しむといえば、マキタで日ごろ「いいな」と思うのは、何かあれば当事者はもちろん当事者でない人まで、どこからともなく集まっては、ああだこうだと意見を交わしながら対処する空気。マキタらしいな、と思う場面です。上司も同じですね。補機の新機種の導入に際して購買に迷惑をかけた時、その旨を報告したら「ん。じゃあ、行くか」と、一緒に頭を下げに行ってくれました。入社以来、上司や先輩から頭ごなしに怒られたことは一度もありません。 ここ最近、現場を歩いていて感じるのは、近代化が急速に進んでいること。最近ではシリンダライナの面取りロボットや溶接ロボットも導入されました。現場が動けば、生産技術の役割も広がる。苦労を楽しむ場面も、ますます増えそうです。